10月11日に引っ越しをし、新しい庫裡での生活が始まった。
とは言っても、段ボールはなかなか片付かないし、 まだまだ足りないものも多く、こっちが仮住まいのようだ。 私が生まれた家も、こういう階段だった。 きょうだいでこうして座って、 絵を描いたり本を読んだりしたものだ。 それがけっこういい思い出になっているので、 自分の子供たちにも、と思ったのだ。 遊びに来た私の妹も、階段を見ての第一声が 「懐かしい!」 だった。 実家も今は建て直しているので、 幼い頃の記憶がより懐かしく思い出されるのかもしれない。 そして、夫が何よりも希望したロートアイアンの暖炉。 薪には家を建てたときの廃材や、 新宿のお寺で伐採された枝を使っている。 子供たちと裏山で枯れ木を拾ったりもした。 夫が暖炉の前に座ると、子供たちが集まって来る。 みんな興味津々で、 火がつく様子をじっと眺めている。 薪ストーブとは違って、家中が暖まるような暖炉ではないけれど、 パチパチという音を楽しみ、 大きくなったり小さくなったりする炎をただ見ているというのも、 家族の贅沢な時間だ。 そして、私が一番気に入ったところ、 それは実はトイレだったりする。 これは2階のトイレ。 ウォームレットという、便座を保温する機能をつけただけのシンプルな便器だ。 トイレの床は、1階も2階も廊下からずっと続いている。 だからトイレは、完全に独立したトイレという場所ではなく、 言ってみれば、部屋の一つなのだ。 スリッパも置かず、カバーもマットも使わない。 だから、変にトイレと意識することもない。 観葉植物を置いてみたり、魚の水槽を置いてみたり、 なんだかのんびりできる場所になった。 新しい上に明るく、 部屋の延長のようになったので、不衛生な感じもしないのだ。 この快適な空間を維持できるかどうかは、 もちろんこれからの私の掃除にもかかっているのだが。 #
by donary
| 2009-06-12 16:00
| 完成後
10月8日
あとはカーテンを待つだけになった居間。 当初の設計より窓を大きくとった。 上の窓から見えるのは桜の木だ。 10月9日 和室の畳は、ご兄弟で経営する近所の畳屋さんに依頼。 子供が同じ保育園というよしみで、 友達価格で引き受けてくれた。 玄関は洗い出し。 左官屋さんにお願いして、わたしも石を撒かせてもらった。 「奥さんがやったとこだけ石が多いんだよなぁ」 と笑いながらも、 実際にはきれいに洗い出しが仕上がってるか、ものすごく気にしていたのだ。 一度コンクリを打った後に小砂利を混ぜたコンクリを塗り、 さらに大きめの小石を撒いて、 翌日に水で濡らしたぞうきんで石を洗い出す。 撒いた石が現れた時には 「よかったぁ〜!」 という声をもらしていた。 そして、最後の仕上げに清掃の方が入った。 たった2人で、家中を丁寧に清掃してくれた。 この窓は2階の高いところについているのだが、 外の小屋根にも梯子をかけて、外側からも拭いてくれたのだ。 当たり前のようであるが、そういうプロ精神には感心させられる。 一緒に仕事に来ていたのはまだ16歳の少年。 彼も先輩を見習って、立派な清掃のプロになってほしい。 10月11日 引き渡しの日に、カーテン屋さんと工務店さんが仕上げに来てくれた。 ちょっとした不具合を、その場で臨機応変に直してくれた大工さん。 今日で最後だなんて、なんとなく寂しい。 ・・・と言っても、これからはお寺の建物との接続工事に入るのだが。 こうして私たちの家は完成した。 #
by donary
| 2009-04-14 11:08
| 現場にて
9月30日
アインズから松岡先生とスタッフの皆さんがやってきた。 いよいよロートアイアンの設置だ。 暖炉や煙突のデザインも、今日まで知らされていなかった。 カーテンレールは当初ボックスがつくはずだったのだが、 夫はそれを断っていた。 せっかくの質感を、かくしてしまうのはもったいない。 ロフトの手すりもついた。 工務店さんの作ってくれた梯子や、 消防士さんのように降りられる木のポールとも干渉せず、 とってもいい感じだ。 これが物干竿をかけるフック。 3メートルの竿を二本かけられるようになっている。 階段の手すりもロートアイアン。 手すりも煙突も、すべて取り付けてから塗料を塗る。 この塗料はアインズオリジナルのもので、 本堂前の手すりもこの塗料を支給してもらって塗り直した。 ロートアイアンの手すりのちょっとでこぼこした手触りと、 このマットで落ち着いた黒い色が、 住まい塾の家によくなじんでいる。 暖炉の本体部分だけは塗料が違うそうで、 暖炉は汚れても濡れた雑巾で拭いてはいけないと言われた。 カーテンレールは塗装しないのだが、 未塗装だとなんとなく錆がついたような感じで、 これはこれで味わいがある。 そしてこのカーテンレールがつくのを待って、 カーテン屋さんが採寸に来た。 実際に測らないとだめだそうで、 実は引っ越しが出来なかった最大の理由が、 カーテンが間に合わなかったこと。 この日に住まい塾セレクトの生地見本を見て、 カーテンやロールスクリーンを決定した。 ロールスクリーンは、北側の窓につくことになる。 北側に面しているのはキッチン、家事室、洗面所、浴室、トイレ。 夫は浴室以外はいらないと言い出したのだが、 家の北側には雑木林があり、犬の散歩や虫取りに人がよく歩いている。 特に夜は、明かりのついた家の中が丸見えになるではないか。 私は猛烈に反対し、 設計士さんやカーテン屋さんも口添えしてくれて、 なんとか夫を納得させた。 しかし、2階はダメだと言う。 「あった方があったかいと思いますけど、まぁ、後からでもつけられますから」 カーテン屋さんはそう言ったが、 夫に「後から」なんてありえない。 「何でも一度にやろうとしなくていいんだよ」 と夫はいつも言うが、 やるときに全部やらないと、次は絶対にないのだ。 夫が後からまた考えてくれるのなら、 私だって一度にあれもこれもと欲張ったりしないのに。 #
by donary
| 2008-12-05 14:28
| その他工事
引き渡しは10月1日の予定だった。
しかし数日前に設計士さんから連絡が入り、 工務店さんとも相談の結果、引き渡しを10月10日に延期したいとのこと。 玄関周りの左官工事の他にも諸工事が残っており、 最後には清掃屋さんも入ることになっている。 予定の工期を守るために、 職人さんたちは休憩もほとんど取らずに作業をしていた。 暗くなってもまだ仕事を続けているのを、私はずっと見ていた。 土曜日も祝祭日も、ずっと来てくれていた。 それなのに、左官屋さんが日曜日に休んだことを、 工務店の社長は怒ったりもしたらしかった。 それほどの思いで仕事をしてくれているのだから、 引き渡し日についてはお任せするしかない。 畳屋さんに連絡し、予定の変更を伝える。 清掃と畳は10月9日になった。 しかし最初の完成予定日だった9月30日、 この日も職人さんたちで賑わったのだった。 #
by donary
| 2008-11-16 22:27
| その他工事
9月4日
内壁の塗装のため、養生が始まった。 まだまだ蒸し暑い中、丁寧にビニールシートを貼って行く。 「細かくて大変ですね」 「いやぁ、大丈夫です」 職人さんたちはいつも笑顔で答えてくれる。 9月5日 下地塗りが始まった。 大きな場所、細かい場所、道具を使い分けながら均一に塗って行く。 9月11日 下地は2回塗るらしい。 しかし、前日に塗った所がなかなか乾かない。 「湿気、多いっすね・・・。」 乾かないと、次が塗れない。 予定通り仕事が進まない。 9月13日 内壁と平行して、玄関前の下地も始まっていた。 そしてこの日は、暖炉の後ろの壁にも工夫が施されていた。 暖炉の後ろも同じように漆喰が塗られるのだが、 ここだけは壁の下地材がコンクリートなのだ。 他の部分は木とボード。 異素材の境目にはクラックが入りやすい。 「割れないですか?」 そういう夫の懸念から、漆喰を塗る前の下地にネットが埋められることになった。 「ちょっと見に来て下さい」 左官屋さんに呼ばれ、うっすら浮かんでいるネットを確認する。 「これで完璧ってわけじゃないすけどね」 これで絶対に割れない、という保証はできないが、 割れ止めの策は講じたということだ。 内壁も外壁と同じ仕上げだ。 しかし、色の配合が100g少ない。 外壁では400g入れたところを、内壁は300g。 家の中と外では明るさが違うので、 これで同じ色に見えるんだと言う。 9月19日 和室の塗装は、聚楽壁というもの。 思っていたより暗めの色ではあるが、 いかにも自然素材という感じ。 この和室だけでも塗装には数日かかった。 養生からほぼ一ヶ月、 こうして手間のかかった丁寧な壁の塗装がすべて終わった。 あと左官屋さんの仕事は玄関周り。 これは最後の予定だ。 #
by donary
| 2008-10-08 22:48
| その他工事
|
カテゴリ
以前の記事
2009年 06月
2009年 04月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 メモ帳
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||