7月24日
現場では2週間に一度、 設計士さん、東海建設の池谷社長との打ち合わせを行っている。 現場の進捗状況に合わせて細かい仕様を決定したり、 問題点を改善したりしているのだが、 この打ち合わせのおかげで、私たちの意見がすぐに反映され、 建物にどんどん命が宿って行くように思える。 この日の打ち合わせには、 ロートアイアンの作家である松岡先生が参加。 暖炉や手すりのデザインは、現場を見て設計すると言う。 カーテンレールやトイレのペーパーホルダー、タオル掛けの位置も、 ひとつひとつ現場で一緒に決定していった。 子供たちはロフトで寝ることになっているのだが、 このロフトの手すりには一番苦労した。 寝相の悪い子供たちが落ちないよう、それでいてデザイン性も失わないよう、 梯子の位置も確認しながらサイズを検討する。 このロフトは、わたしがどうしてもと無理を言ってつけてもらったものだ。 今の場所に落ち着くまでにはかなりの試行錯誤があった。 三角屋根の部分を生かそうと思ったのだが、 吹き抜けや階段のために、なかなか十分なスペースがとれないのだ。 設計士さんには無理だと暗に言われたのだが、 あきらめきれない私はいろいろな提案をして、 とうとう場所を確保した。 トイレに行きたくなった時のために、 消防士さんのように滑り降りられるポールもお願いした。 それでも本当に落ちるようなことがあれば、 最悪なら階段下まで転げ落ちる。 ロフトだけではない。 吹き抜けも暖炉も、子供にとって危険だと言えば危険な設備だ。 正直そういう不安はあるが、 そんなことを言い出せばキリがない。 そしてこの日は、外壁の色見本ももらっていた。 色と仕上げ方が微妙に違う。 夫の希望は一番右。 白くて仕上げは細かい。 私の希望は一番左。 黄味のある色で、荒めの仕上がり。 次回の打ち合わせには高橋先生も参加されるということで、 決定はその時ということになった。 #
by donary
| 2008-08-31 18:30
| 設計打合せ
6月17日
急に思い立ち、夫と「オーデリック」のショールームに出かけた。 設計士さんが提案してくれた照明もよかったのだけれど、 夫はもっとシンプルなものがいいと言う。 しかも、実物を見ないと決められないということで、 ずっと保留のままになっていた。 提案されていたものもシンプルではあった。 しかし、何が気に入らないかというと、 デザインとして木が使われていること。 「家が無垢材であるだけに、 こういう部分の木は偽物っぽく見える」 というのが夫の意見。 まぁ、説得力はある。 今わたしたちが仮住まいしている客殿の照明は、 オーデリックのものが多い。 これらを選んだのは夫ではないが、 夫の好みには合っていたようだ。 一応カタログは取り寄せていたのだが、 事前に私がパラパラ見ていただけで、 特に候補も決めず、図面も持たずに訪れた。 ダイニングテーブルの上には、 このように3つの照明がくることになっていた。 「住まい塾」の家ではここにもロートアイアンを使うことが多いのだが、 吹き抜けの照明もロートアイアンの予定ということで、 夫は他の素材を希望していた。 そしてその吹き抜けの照明も、実は他に候補を探していた。 暖炉や階段の手すりにロートアイアンを使うことは決まっている。 だから照明までロートアイアンにすると、 多すぎて逆に引き立たないのではないか、というのが夫の主張だった。 「とにかく探してみようよ」 とは言ったものの、なかなかピンとくるものがない。 「これは?」 「だめだね」 「じゃあ、これは?」 「よくないね」 結局、この日は何も決まらなかった。 とりあえず設計士さんにはもう一度、 別のものを提案をしてもらうことになった。 「『なかなか好みが難しくて』と高橋先生に言ったら、 『依頼主の好みを把握していないのが悪い』と言われてしまいました」 と、設計士さんがこぼしていたが。 夫はその後、あちこちの照明プランを変更していた。 玄関前の外灯はやめ、ダウンライトだけに。 下駄箱上の照明はなくす。 ダイニングテーブルの上は、ペンダントをやめてダウンライトを3つ。 吹き抜けもロートアイアンをやめて、シーリングライトに。 またしても私の知らないところで話が終わっている。 #
by donary
| 2008-08-20 22:10
| 夫婦会議
7月16日
左官屋さんのトラックが到着。 窓や小屋根にビニールを張り、マスキングをしている。 いよいよ明日から、外壁の塗装が始まるのだ。 室内で仕事をしている工務店さんたちを気遣って、 「窓、全部覆っちゃっていいかー?」 と左官屋さんの一人が言う。 「俺たちは外で仕事するんだ。 ちょっと暑いくらい、我慢させろ!」 別の左官職人さんが答えると、 「何言ってんだ。俺たちはそれを乗り越えて来たんだ!」 と、工務店さんも軽口で返す。 そんなやりとりも楽しい。 7月17日 今日も暑い。 強面の職人さんが、くわえタバコで材料を混ぜている。 「下地は何回塗るんですか?」 「2回」 「それは同じもの?」 「そう、同じ」 「3回めは何色になるんですか?」 「今度、見本を持ってきますから、それで選んで下さい」 小さい頃、実家でも左官工事があった。 私はそのそばを離れず、ずっと職人さんの仕事を見ていた。 そしてその後しばらくは、 コテで混ぜては塗り、混ぜては塗りという遊びを 飽きずに繰り返していたらしい。 大人になった今も、左官屋さんの仕事はとても魅力的だ。 見る見るうちに、手早く均一の厚さに塗られていく。 仕上げに、表面にはスクラッチをかける。 これは2度目の下地を塗る時のためのもの。 引っかかりがよくなるからだそうだ。 1回めの下地塗りは、3人がかりで1日で終了した。 「このペースで行くと、外壁の塗装って3日で終わっちゃうの?」 「3日で終わるなら、もっといいもの着てますよ」 仕事は速いが、やはりそんなに簡単ではないようだ。 7月22日 太陽が容赦なく照りつけている。 先日の下地はあっという間に乾いたようだ。 この日は職人さんは2人。 さすがに1日で、というわけにはいかず、 2回めの下地塗りは翌日も続いた。 #
by donary
| 2008-08-08 22:59
| その他工事
6月14日
早朝から現場に人の気配がした。 洗濯物を干しながら、ちょっとのぞいてみる。 しばらくすると小さなトラックも到着。 荷台に積んでいるのは、建具だった。 この家の窓枠は、アルミサッシではなく杉だ。 すべて建具屋さんがこしらえる。 図面から寸法を割り出して作って来たのだけれど、 無垢材に無垢材を合わせるのだから、 やはり現場での調整が必要だ。 合わせては削り、また合わせては削り、 そうやって丁寧に微調整を繰り返す。 作業の合間に、また質問をする。 「建具に杉という素材はどうなんですか?」 「アルミサッシと比べたらやっぱり結露しにくくなりますか?」 「どのくらい持つんですか?」 ペアガラスは結露しにくいが、重量がある分だけ建具の負担は重くなるらしい。 それでも10年から15年は問題ないだろう、ということだった。 以外に寿命が短い気がしたのだが、メンテナンス次第だろう。 「写真を撮っていいですか?」 「おう、いい男に撮ってくれよ!」 軽口を聞きながらも、手は正確に仕事を進めている。 人の手でつくられたものは、やはり暖かみがある。 金具もシンプルなもの。 ただ、杉はとても軟らかく、 この金具が少しでも当たると、すぐ傷が入ってしまう。 普段はがさつな私だが、おかげで慎重に開け閉めするくせがついた。 6月23日 建具にガラスが入った。 #
by donary
| 2008-08-03 23:18
| その他工事
6月4日
床暖房の工事が始まった。 居間には夫の強い希望で、ロートアイアンの暖炉をつけることになっていた。 これは「住まい塾」の家の象徴的な存在である。 すべてアインズの松岡さんの手によるものだ。 シンプルでいて、存在感のある暖炉。 住まい塾の東京本部にもこの暖炉がある。 ただ、暖房効果はそれほどないらしい。 暖炉の前は暖かいのだが、 その構造上、薪ストーブのように家全体が暖まるというわけではないらしいのだ。 どうしても予備暖房が必要だと言うことで、 設計士さんのおすすめが床暖房だった。 暖炉や床暖房については、 最終決定するまでに私と夫のかなり激しいやり取りがあったのだが、 それはまた後日に話すことにして、 とにかく、床暖房を設置することになった。 業者さんはユーダン。 まずは全体に専用の発泡スチロールを敷き詰めて行く。 これが断熱材。 その上にアルミの板を敷く。 これは放熱版。 そして溝にそって、温水パイプを配管する。 これは全部つながっており、中を不凍液のようなものが通るらしい。 ちなみに熱源はガスにした。 「メンテナンスは必要ですか?」 と私は聞いた。 「設備自体は、半永久的にメンテナンス不要です。 ただ、中の液は10年ごとに交換します。 その時期が来たら、こちらでご連絡して伺いますから」 作業の間中、写真を撮りながらいろいろな質問をする私に、 職人さんたちはいやな顔をせずに、丁寧な説明をしてくれる。 そんな皆さんの話しぶりに、 自分の仕事に自信と責任を持っていることを感じるのだ。 設備工事は2日で終わった。 #
by donary
| 2008-07-24 21:54
| その他工事
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