交渉
12月2日
日曜日にも関わらず、東海建設の社長さんにお越しいただいた。 隣地の地主さんのところに伺うためだ。 何日か前に、夫と地主さんの間では打合せが行われていた。 隣地の樹木がこちらの敷地にかなり伸びている。 古い家の屋根には枝が覆いかぶさり、雨樋からは芽まで出ていた。 先代さん同士では取り決めがあったようなのだが、 先方は亡くなっているし、こちらも住職が交代しているし、 当時の約束が文書で残っているわけでもなかった。 前の道路はゆるい坂で、うちは道路から石段で上がるようになっているが、 隣地からならそのまま重機を入れることができる。 境界のブロック塀も壊すことにしているので、 隣地から重機を入れさせてもらえれば、かなり効率がよい。 こちらに伸びている枝は、本来ならば地主の責任で伐採するものだと思う。 しかし、うちの負担で伐採をするかわりに、 工事の際に重機の進入路として土地を使わせてもらいたい、 ということをお願いしたのだ。 当事者である先方と夫の間に入って 工務店の社長さんが話をまとめて下さったようで、 重機を入れることに関しては いくらかの使用料を支払うということに決まったそうだ。 「まぁ、使わせてもらえるんだから有難いと思わないとね」 と夫は言った。 翌3日の夜 台所の窓の外にチラチラと明かりが動いているのが見えた。 夫は兼務しているお寺の旅行で不在。 夏なら「かぶと虫を捕りに来たのかな」と思うのだが、 真っ暗なので何をしているのかわからない。 不審げに窓から顔を出す私に気づいたらしく、 「どうも、こんばんは」 という声がした。 隣地の地主さんだった。 「伐採が始まる前に、急いでしるしをつけに来ましたよ」 とのこと。 屋根にかぶさっている枝は切っても構わないが、 重機を入れるために切る木は最低限にしてもらいたい、ということ。 そのために、切ってもいいだろうという木にビニール紐でしるしをつけていたそうだ。 「お手数をおかけして申し訳ありません」 と私は言った。 不審者とかでなくてほっとした。 「まぁ、しばらくは雑木林のままにしておくつもりだから」 とも言っていただいた。 それがなによりありがたいことだ。 この林の眺めは、「住まい塾」の代表の高橋さんが大変気に入ったものだ。 「北に林があるのはいいんですよ」 と、この眺めを活かすために北側の窓を大きくとったのだから。 仮住まい中の客殿の浴室や台所からも、この眺めは満喫できる。 四方を林に囲まれた我が家って、実はとても贅沢な住まいなのではないだろうか。 ところで、この地主さんには3人の息子さんがいる。 我が家も子供は男3人。 そして、工務店さんも3兄弟でされている。 そんな偶然がなんだか楽しい。
by donary
| 2007-12-02 21:52
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